事業計画を作成する大きな意味
形だけ体裁を整えた事業計画書は意味がない
事業計画を作成する会社が増えてきた。銀行借入用の簡単なものから、専門家に作ってもらった分厚いものまでいろいろである。よく、「うちも事業計画書を作っています」とか、「事業計画書を作ったけれど、見てもらえないか」また、「会計事務所で事業計画書を作ってもらえませんか」といった相談がある。
しかし、その事業計画書の中身を見てみると「直近の決算書から成長率と収益性をもとに5%アップしてみました」とか、「これぐらいの売上がないと赤字になるため、売上高を決めました」などの話が出てきて、実現の可能性や売上アップの戦略性に乏しい事業計画書が多い。
また、場合によっては、事業計画作成以前の資金繰りに窮して経営者が金融機関を飛び回り、目先の対応に時間が奪われ、経営者が自社の置かれた環境や競争状況、強み弱みを適切にとらえているか疑わしいケースも多々見受けらける。
何事も、実効性のない計画は「絵に書いた餅」のごとく、体裁だけ整えても何の意味もない。本音は、資金調達が目的で、銀行に何度も事業計画書を提出している会社は、かえって信用をなくし、無駄な投資のもとになったりする。
経営者と全社員の決意で作成された、中身のある事業計画書は、それほど体裁が整っていなくても、十分に信頼される事業計画書となる。
事業計画の手順と4つの側面
〔1〕経営戦略と目標の設定
経営戦略を立案するステップとして、まず、
- 過去の成長要因を調べ鮮明に認識する。
- 過去の成長要因が有効であった理由、即ち企業環境を認識する。
- 過去の企業環境であった時代背景が、現在どのように変化してきたか、その結果、現在の企業環境はどのようなものであるか認識する。
- 現在の企業環境において成功するための条件、即ち現在の成功要因を考察する。
- その成功要因を獲得するために何をなさねばならないか、又現在、自社でとらえている経営政策は、その成功要因を獲得するという目的に照らして、妥当かを検討する。
といった具合である。
経営戦略を踏まえて、こうなりたいという目標が必要である。事業計画の作成は、経営者・部門・社員個人等々で共有する目標を設定する機会として位置づける側面がある。目標の高さは、手が届くかどうか(努力すれば達成可能)というレベルが多い。
〔2〕経営目標値の進捗管理
経営者と管理者は、事業計画値と実績値の差異を毎月・毎日管理し、組織を同じ方向に引っ張って行くという、経営管理・部門管理のツールとしての側面を事業計画は持っている。
〔3〕中期事業計画による管理
以前は犬は人間の約7倍の早さで成長することの例えで、IT業界などの移り変わりの速さのことを言っていたが、今はマウスイヤーと言い、人間の18倍の速さで成長するねずみに例えられるほど経済・経営環境の変化は著しい。こんな時こそ事業計画を立案し、経営の方向性を明確にした経営が必要になってくる。
そのためには、常に、長期・中期・短期での計画を見直しながら経営の舵取りをしなければならない。5年間の中期事業計画をシミュレーションしながら見直し、短期計画に反映させるという側面である。
〔4〕コミニュケーション・ツール
事業計画は、経営者・管理者・部門と部門、課と課・・間のコミュニケーションツールとしての側面である。
目先の対応・対策にばかり気を取られていると、中長期的に企業の競争力を落すことになる。中長期的なモノの考え方や対応をするためには、日々、毎月、毎年の事業目標と実績値を比較し、事業計画達成のための意見を交換し、発想やアイデアを出しやすくするコミュニケーション・ツールとしての側面を持っている。
実践的な事業計画の策定プログラム
事業計画の作成は、上記の通り、かなり専門的な知識が必要になってくる。ここで、私たち、経営者が簡単に事業計画を策定できるプログラムを紹介する。このプログラムは、Excel(パソコン)を使ってすぐに実践でき、事業計画の実践策定から中期事業計画の利益計画・資金計画まで手軽にシミュレーションできる特徴がある。
最も基本的な事業計画シート(Excel)を一部無料で公開しているので、これを基本に、先ず自社の事業計画書の作成に取り組まれたらいかがでしょう。
























